Degree Policy学位授与の方針

ディプロマ・ポリシー

工学システム学類の学位授与の方針

筑波大学学士課程の教育目標及び本学群・学類の人材養成目的に基づき、工学分野の様々な問題に対応するための基礎能力と論理的思考能力を獲得し、学修の成果がいかに示す所定の水準に達したと認められる者に、学士(工学)の学位を授与します。

  • 広い分野に応用できる基礎能力については、数学・物理学・コンピュータなどに係る専門基礎科目を修め、これらの知識を応用して工学的な諸問題を分析できることを求めます。
  • 広い視野を持った仕事の遂行能力については、各主専攻の専門科目を修め、これらの知識を応用して科学技術と社会の関連を理解し、新たな技術を企画し、システムを設計できることなどを求めます。さらに、実験・卒業研究などで、同級生との協調・指導教員の指導などを経て、問題点に対する具体的な解決策を考案し、計画的に仕事を進められることなどを求めます。
  • 社会人・職業人としての人間基本力については、外国語・実験・卒業研究などの科目を修め、コミュニケーションとプレゼンテーションができること、技術者としての倫理観を持つことなどを求めます。

カリキュラム・ポリシー

工学システム学類の教育課程の編成・実施の方針

きわめて広い工学分野をカバーしている本学類は、知的・機能工学システム主専攻とエネルギー・メカニクス主専攻の2主専攻で構成されています。各主専攻で学ぶ内容に多少の違いはありますが、他主専攻の科目の履修は容易であり、また最終学年における研究室配属において主専攻の壁は設けません。主専攻による専門性の違いをある程度は保ちながら、できる限り分野横断性を重視するカリキュラムを用意しています。

  • 1・2年次は様々な専門分野を横断的に学ばせるカリキュラム体系により、工学システム学類のどの主専攻にも対応できる基礎能力を養うとともに、横断的に工学分野を捉えた「工学システム」の概念を学習します。
  • 2年次秋学期からは二つの主専攻に分かれ、様々な専門分野の特色ある科目を選択し、深い専門知識を習得します。
  • 2年次および3年次は各主専攻における基礎実験・専門実験・応用実験と関連の専門科目の履修を通して、様々なシステムの設計を行うために必要な統合・創造・解決能力を養います。また、全ての実験は数名の班を単位として実施されるため、チームワーク力の涵養にも役立ちます。
  • 4年次は、主専攻分野に限定することなく学類内の希望する研究室の一つに配属させ、修得した基礎能力と幅広い専門知識を活かして、卒業研究を完成させます。これにより人々の生活に役立つ工学的なシステムを構築する能力を持った技術者を育成します。また、2年次までの成績が優秀な学生は、3年次に特別卒業研究を実施して早期卒業も可能です。

各主専攻で学ぶ内容に多少の違いはありますが、他主専攻の科目の履修は容易であり、また最終学年における研究室配属において主専攻の壁は設けません。また、2年次までの成績が優秀な学生は、3年次に特別卒業研究を実施して早期卒業も可能です。

アドミッション・ポリシー

工学システム学類の入学者受け入れの方針

求める人材

  • 工学系に必要な基礎学力とセンス
  • 好奇心と学習意欲
  • 技術者になるという明確な目的意識
  • 思考力、判断力、表現力とコミュニケーション能力に優れた人材

入学までに学んでおいてほしいこと

  • 数学IIIと物理基礎・物理の内容
  • 基礎的な英語能力を身につけていること
入学者選抜方針
個別学力検査(前期) 自然科学、数学における基本的な概念や原理・法則への理解の深さ、事象を自然科学的に考察して理解するとともに数学的に処理する能力の高さを評価します。
個別学力検査 (後期) 基礎学力の評価に加えて、工学的システムに対する関心の高さと、自然科学や数学における基本的な概念の理解の深さ、並びに、勉学への意欲を評価します。
推薦入試 高等学校在学中における、授業科目の学習と生徒会やスポーツなどの課外活動への取り組みの両立を評価するとともに、数学など工学系に必要な基礎学力と科学的思考姿勢と工学センス、並びに、思考力、判断力、コミュニケーション能力などを評価します。
私費外国人留学生入試 工学に対する関心や理解力の高さ、日本語能力に加え、入学後の学修に必要な基礎学力を総合的に評価します。
国際バカロレア特別入試 自然科学や数学の基礎学力に加えて、主体的に学び考える力およびコミュニケーション能力、工学を積極的に学ぶ強い学習意欲を評価します。
編入学試験 専門的な工学教育を受容できる基礎学力と勉学意欲、工学に対する強い関心と論理的思考力、コミュニケーション能力を総合的に評価します。

JABEE認定

概要

工学システム学類はJABEE(日本技術者教育認定機構)から「工学(融合複合・新領域)関連分野」での認定を受けており、すでに2500名余(2021年3月末時点)の修了生を輩出しています。これにより工学システム学類の卒業生は日本においては技術士の一次試験が免除されています。アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなどワシントン協定加盟国では、ほとんどの有力校が同様の認定を受けており、それらの大学の卒業者と同等の資格であると認められます。今後エンジニアとして世界を舞台に活躍したいと考えている方にはこの点も考慮すべきポイントでしょう。

JABEEとは

JABEEは、技術者教育の振興、国際的に通用する技術者の育成を目的として設立された法人であり、第三者機関として、大学等の高等教育機関で実施されている技術者を育成する教育プログラムの内容と水準が社会の要求水準を満たしていることを、国際的な同等性を持つ認定基準(エンジニアリングではワシントン協定)に基づいて認定しています。2022年2月現在,ワシントン協定には,以下の23カ国の認定機関が加盟しています。そして、JABEE認定プログラム修了生は、これらの国において認定を受けた高等教育機関の卒業者と同等の資格を有する、国際的水準の技術者教育修了者として認められています。

また、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなどワシントン協定加盟国では、世界ランキングの上位校(Times Higher Education, 2023)のほとんどが、ワシントン協定に基づく技術者教育の認定を受けているプログラムを擁していることも見逃せないポイントでしょう。(1~10位:米国7大学、英国3大学、11位~20位:米国5大学、カナダ1大学、中国1大学、シンガポール1大学、 21~30位:米国6大学、英国2大学、2023年3月調査)。

さらに、JABEEが認定したプログラムの修了者は、文部科学大臣の指定を受けて技術士の第一次試験が免除されます。技術士は、技術士法に基づいて行われる国家試験(技術士第二次試験)に合格し、登録した人だけに与えられる名称独占の資格であり、「科学技術に関する技術的専門知識と高度な応用能力及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため高い技術者倫理を備えていること」を国によって認められる、科学技術の応用面に携わる技術者にとって最も権威のある国家資格となっています。

工学システム学類の取り組み

JABEE認定審査においては、教育機関が、社会の要求に基づく具体的な目標と教育戦略を有し、それを達成するために必要な水準の教育活動を維持し継続的に改善していくための仕組みと、それを支える人的資源や設備が組織的にも財政的にも充分であるかが審査されます。従って、日本技術者教育認定基準にまとめられているすべての項目について、具体的な根拠資料を伴った形での自己点検を行なった結果を提出することが求められており、その提出内容に対する審査を経て、JABEE認定を受けることができます。
工学システム学類では、「工学システム学類の教育への取り組み」に示される教育点検活動を継続的に実施することで、教育活動のさらなる実質化を進めています。その結果、2004年度よりJABEEの認定プログラムとなっています。

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